「鬼は~外!福は~内!」
厳寒真っ只中、そんな賑やかな声が聞こえてきそうな節分の週末、皆様いかがお過ごしでしたか?
豆をまいて鬼を追い出し、福を呼び込む日本古来の行事、節分ですが、なんとヨーロッパにも鬼がいたのです!
その名もクランプス!
クリスマス前夜にサンタクロースとともに現れ、悪い子におしおきするクリスマスの悪魔です。
日本の鬼をはるかに超える恐ろしい姿と迫力に、実はヨーロッパだけでなくアメリカでも静かな人気を集めているのです。
そしてなんと、日本でもクランプスに会えるお祭りがあるそうです!
ヨーロッパの子供たちを震え上がらせるクランプスとは?!
ヨーロッパの鬼、クランプス。
日本では鬼が出てくるのは節分のシーズンですが、ヨーロッパでは鬼が出るのはクリスマス前夜で、サンタクロースとともに子供たちの前に現れます。
日本ではまだあまり知られていませんが、中欧ではサンタクロースと並んで有名なクリスマスを代表するシンボルです。
多くの場所ではサンタクロースのお供と言われていますが、地方によってはサンタクロースと双子の兄弟という説もあります。
それでも、似ても似つかない恐ろしい姿!
良い子はサンタクロースからお菓子やプレゼントがもらえますが、悪い子はクランプスにおしおきされてしまいます。
日本の鬼というよりも、むしろ秋田の「なまはげ」に近い存在と言えるでしょう。
クランプスの語源は「鉤爪」を意味するドイツ語のKrampenから来ており、鬼のように恐ろしい顔に角を生やし、まるで西洋のおとぎ話に登場する悪魔そのもの!
ドイツ南部、オーストリアの中欧とハンガリー、スロヴェニア、そして吸血鬼伝説で有名なルーマニアのトランシルヴァニア地方など東欧の一部では、毎年12月上旬になると「クランプス祭り」が行われます。
約500年以上も前から始まったといわれる伝統的なお祭りで、悪霊払いの意味があったと言われています。
クランプスに会えるお祭りはここ!
毎年クリスマス前夜、12月上旬にヨーロッパの中欧と東欧の一部で行われているクランプス祭りですが、主にドイツ南部のミュンヘンとオーストリアのお祭りが行きやすく、オススメです!
ドイツ
去年はミュンヘンのクリスマスマーケットに12月10日と17日の2回姿を現し、マーケット中練り歩いてとても盛り上がった様子です。
ミュンヘンは日本から直行便が出ており、アクセスしやすいのでオススメです。
本場ドイツのクリスマスマーケットを満喫しつつ、タイミングがよければこの地方ならではの奇祭クランプス祭りも楽しめて、まさに一石二鳥!
なお、ドイツのクリスマスマーケットについての詳しい情報は、こちらのページをご覧ください。
オーストリア
ドイツのすぐ南にある国、オーストリアもクランプス祭りで有名です。
主にアルプス山脈に沿った山岳地帯、チロル地方の都市ザルツブルグ、インスブルック、イシュグルのお祭りが有名です。
またこれらの都市はドイツのミュンヘンとも近くてアクセスも良く、ザルツブルグまで鉄道で2時間、インスブルックまでは高速バスで8ユーロというリーズナブルさも魅力。
またオーストリアのスキーメッカ、イシュグルにはインスブルックからシャトルバスが一日に数本出ているそうです。
ミュンヘンでクリスマスマーケットを楽しんだ後、ちょっと足を伸ばしてオーストリアのクランプスにも会いに行ってみるのはいかがでしょうか?
ちなみにクランプスに扮するのはほとんどが地方の若い男性で、中にはこんなイケメンもいたりします!
クランプスの衣装は木彫りで精巧に作られた鬼の仮面と羊の角、そして羊の毛皮を羽織ります。
腰からカウベルを下げ、騒々しい音を立てながら歩き回ります。
鎖や箒などの武器を持っており、悪い子はそれでおしおきします。
背中に背負っている大きな籠は、どうしても言うことを聞かない悪い子を捕まえ、籠ごと地獄に落とすという伝説にちなんでいます。
アメリカやカナダなど北米でも大人気!
さらに意外なことに、クランプスはドイツやオーストリアなどヨーロッパだけでなく、アメリカやカナダなど北米でも大人気!
北米でクランプスが注目されるようになったきっかけは、アートディレクターのモンティ・ビーチャム氏による展覧会で、それ以来北米での人気はうなぎのぼりと言われています。
さらに、2015年にはクランプスを題材にしたホラー映画まで作られました。
全米BOX OFFICEランキング初登場でなんと2位を記録するほど、映画賞でも大きな話題を呼んでいます。
北米でもアメリカのロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、サンディエゴ、デトロイト、カナダのトロント、エドモントンなどでクランプス祭りが開催され、大いに盛り上がりました。
ちなみにデトロイト、フィラデルフィアにはミュンヘンからも直行便が出ているため、もしスケジュール的に余裕があればさらに足を伸ばして北米のクランプス祭りも楽しんでみるのも素敵ですね!
しむらん通りでクランプスと握手!
そんなヨーロッパ中部と北米でも人気者のクランプスですが、なんと日本でもクランプスに会えるお祭りがあるそうです!
「クランプスde地域活性プロジェクト!」を合言葉に、東京板橋区の中小企業の社長がクランプス・ジャパンとして立ち上げたプロジェクトの一環で、毎年12月上旬にクランプス・パレードを行います。
場所は板橋区の志村銀座商店街、通称「しむらん通り」で、2015年から始まったそうです。
昨年末は12月3日に開催され、参加者もこちらのホームページから募っているようです。
クランプスパレードのほかにもドイツやオーストリアのビールやフランクフルトや民芸品が売られ、スノードーム製作体験もできるそうです。
日本にいながらにしてヨーロッパの奇祭を楽しめるチャンス!
興味のある方は、是非チェックしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
ヨーロッパの鬼、クランプス。
日本ではまだまだ知名度が低いですが、中欧や東欧では実はクリスマスやサンタクロースとは切り離せないほど身近な存在だったんですね!
悪い子供を恐がらせたり、しかったり、おしおきするのは鬼というよりも「なまはげ」に近い存在ですが、現地では子供から大人まで幅広い人気を誇っている人気者。
さらに意外なことにアメリカやカナダなど北米でも大人気。
クランプス祭りも本場ドイツやオーストリアだけでなく、アメリカやカナダ、さらに最近では日本でも開催されるようになり、ますます注目を集めそうです。
ミュンヘンのクリスマスマーケットでも何度も登場しているので、クリスマスマーケットに行く予定のある方はチェックしてみると面白い発見ができるかも知れませんね!