昨今の「おひとり様ブーム」の流れを受け、大手はもちろんのこと、数多くの旅行会社から多種多様な「一人旅限定ツアー」が催行されるようになりました。
そのおかげで、初めての海外一人旅でも、語学力や土地勘に自信がなくても、海外一人旅への敷居はずいぶんと低くなりました。
その一方で、ユニークで多種多様なツアーから自分にあったものを探すのが難しくなり、どの旅行会社も個性的で魅力的なツアーをたくさん主催しているので、いろいろ目移りするのではないでしょうか?
でもご安心あれ!
海外旅行ツアーも選ぶポイントをきちんと押さえておけば、自分に合ったツアーを見つけることは決して難しくはありません。
フリープランかパッケージツアー、選ぶ決め手は?
海外旅行のスタイルには、大きく分けてパッケージツアー、フリープラン、個人旅行の3種類あります。
ここでは一人旅限定ツアーを含め、海外旅行ツアーの選び方についてご説明しますので、まずパッケージツアーとフリープランの2種類から選ぶことになります。
それぞれのスタイルの特徴と向いている人については既にご説明しましたが、それでもどちらにするか最後の土壇場で迷った場合には、以下のポイントを参考にしてみてください。
パッケージツアー
・「一人旅限定ツアー」と謳っていても、旅行は団体での行動がメインになるため、知らない人の中にいても人見知りせず、集団行動が苦にならない人
・「その国の雰囲気を感じてみたい」、「絵葉書のような海外の風景を直に感じてみたい。」「非現実的な風景で、現実逃避したい。」など、明確な旅の目的がない場合
・「どうしてもここに行きたい!」という強い希望がない場合
・限られた時間内に、できるだけたくさんの国や観光地を回りたい人
・初めての海外旅行か、語学力や土地勘に自信がない海外旅行初心者におススメ
フリープラン
・どうしても行きたい国や場所、美術館や博物館、やりたいアクティビティなど、旅の目的がはっきりしている場合
・現地での旅のスケジュールを自分で組み立てられる人
・ある程度、一人の時間や自由時間が欲しい人
・ツアーでもリスクを抑え、「一人旅の醍醐味」を味わいたい人
・好きな国、好きな街にじっくり腰を据え、滞在型の旅を楽しみたい人
・ある程度、海外旅行に慣れた人や初心者でも語学力や土地勘、いろいろリサーチするのが苦にならない人向け
海外旅行ツアーの探し方
パッケージツアーかフリープランかどちらにするか決まれば、今度はどの海外一人旅限定ツアーに参加するか、決めましょう!
ツアーの探し方は、大きく分けて以下の2種類があります。
旅行会社ごとで探す
利用したい旅行会社があらかじめ決まっている場合に、数社の旅行会社のツアーを比較して決める方法です。
お馴染みの大手旅行会社、JTBやH.I.S、近畿日本ツーリストや日本旅行など、あらかじめ自分が決めている旅行会社から、気になるツアーをいくつかピックアップして、それぞれ旅行会社ごとに内容や費用、客層などを比較し、絞り込みます。
「ある程度、名の通った大手旅行会社じゃないと不安!」という方や、旅行初心者に向いています。
比較サイトで探す
特に決まった旅行会社がなく、こだわりがない場合で、少しでも旅行費用を抑えたい場合、ABロード、Travel.jp、トラベルコちゃん、比較.comなど、ネット上の大手比較サイトで格安ツアーを探す方法です。
複数の旅行会社のツアーをまとめて検索し、比較できるので、お手軽で便利です。
ある程度、旅慣れた人やパソコンでの検索が苦にならない人、少しでも旅行予算を押さえてリーズナブルな旅を楽しみたい人に向いています。
海外一人旅ツアーを賢く選ぶための4つのポイント
でも今や、ネットと実店舗、大小含め海外旅行会社が乱立し、各社が提供する海外一人旅限定ツアーもたくさんあるため、「多すぎて、決められない!」という方も多いかと思います。
海外旅行ツアーを選ぶときも最低限、押さえておくべきポイントがあり、ここを間違うとせっかくの旅行も楽しさが半減してしまうので、要注意です!
以下、海外ツアーを十分に楽しむためのポイントをまとめましたので、参考にして下さい。
旅のスタイルと目的、目的地、総予算を決める
まずは行きたい国や場所を先に決め、自分のスキルや経験、旅の目的によって旅のスタイルを決めます。
そこから現実的に自分が旅行にどれぐらい予算を取れるか、おおまかでいいので割り出し、自分の条件に合った海外ツアーを探します。
旅行パンフレットの内容を確認
旅のコース、日程、行程、飛行機の時間やホテルのグレード、添乗員の有無、食事の有無、自由行動の有無について、確認します。
このとき、「自由行動が減ってもいいから、少しでも多く観光地を見て回りたい!」、「旅費を節約したいから、あまり立派なホテルじゃなくてもいい」等、自分なりの優先順位を持っておくと決めやすいです。
一人旅限定ツアーでも、客層を確認!
「一人旅限定ツアー」と言っても、参加者が皆、一人で申し込んできているだけで、通常のパッケージツアーとほぼ変わりありません。
最初から最後まで「集団行動」となるため、一緒に旅行するグループの客層や年齢層は、重大な問題です。
特に一人旅限定ツアーではみんな一人で申し込んでいるので、客層が会わないと見知らぬ人たちの中、一人だけ孤立感を味わったり、気まずい思いをしてしまいます。
例えば、老舗の大手旅行会社が運営する少しお高めなツアーで、メインの客層の平均年齢が比較的高い場合だと、学生や若い人が一人で参加しても話が合わないし、何かと気まずい思いをしてしまいます。
また反対に、若い人や学生がメインターゲットの格安旅行の場合だと、高齢者の参加者には体力的にも、話題的にもついて行きづらく、お互い気を使いすぎて、旅行を心から楽しめなってしまう恐れがあります。
また、同じ理由でメインターゲットが男性の場合、女性客は参加しにくいし、逆に女性客メインだと、男性客は十分、楽しめないでしょう。
ツアー内容がどんな客層をターゲットにしているか、事前に確認しておく必要があります。
旅行先の国の気候や天候も要チェック!
世界各国には、それぞれ「オンシーズン」または「ハイシーズン」と呼ばれる、観光に適したシーズンがあります。
ここを間違えると、悪天候に振り回され、観光を楽しむどころではなくなるので、注意が必要です!
例えば、買い物を楽しみにクリスマスシーズンのヨーロッパへ行ったのに、お店や観光地がホリデーシーズンで全部閉まっていたり、東南アジアの遺跡巡りに行っても雨季にあたると、激しい雨で観光どころではなくなってしまいます。
よって、この時期は観光客が少なくなるため、「オフシーズン」と呼ばれています。
しかし、オンシーズンでは観光地に多くの観光客が押し寄せるため、料金も割高になってしまうのがネックです。
旅行費用をできるだけ抑えたい人は、敢えて観光客の少なくなる「オフシーズン」を狙うのも、一つの手でしょう。
要注意!格安海外旅行ツアーの落とし穴!
航空券や宿泊費以外にも、燃油サーチャージや諸々の経費で結局、あれこれ費用がかかり、ただでさえ高くついてしまう海外旅行。
そんな中、少しでも費用を抑えて旅行したい人にとって魅力的なのが、格安海外旅行ツアーです。
中にはあまりにもありえない安価で提供されているツアーがあり、思わず飛びつきたくなる衝動に駆られる気持ちはよくわかりますが、ちょっと待って!
海外旅行のツアーには、旅行会社によってはグレードごとに高級・中間・格安の3つにランク付けがされており、もちろん値段もこれに正比例しますが、最も下位の格安ツアーには、「安い」なりの理由があるのです。
格安ツアーがなぜ安いのか、考えられる理由と注意点を、以下のポイントごとにご説明しましょう。
旅行シーズン
通常、正規料金のツアーが観光に適したオンシーズンなのに対して、料金が安い分、オフシーズンに設定されていることが多いです。
旅行費用を抑えるのが最優先事項ならば、それもアリかも知れませんが、純粋に観光や買い物を楽しみたければ、かなり満足度を削られる覚悟が必要です。
航空便
正規料金のツアーが直行便なのに対し、格安ツアーでは途中で乗り換えが必要な経由便になることが多いです。
これも旅行費用を抑えるのが最優先事項ならば、途中で飛行機を乗り換える手間と待ち時間を考えてもメリットになりますが、そうでなければムダに体力を消耗してしまう恐れがあります。
ホテルのグレードと立地条件
格安旅行ツアーでは通常、ホテルのグレードはB/Cクラス(2つ~3つ星クラス)であることが多いです。
また立地も町の郊外や、中心部から離れた辺鄙な場所であることが多いため、アクセスが非常に不便になってしまいます。
食事
ツアーによっては1日三食つかず、朝食のみであることも多いので、確認が必要です。
また、最低限の費用と短時間で、大人数用の調理ができる料理が提供されるため、味のほうも保証ができないことを覚悟する必要があります。
費用を抑えるという点では、これもメリットになりますが、現地の食事を楽しみにしている人には、大きなデメリットです。
観光
格安ツアーの観光では通常、限られた期間内で、内容をめいっぱい詰め込んだスケジュールが多いため、体力に自信がない人や高齢者、美術館や博物館などじっくり観光したい人には不向きです。
また、旅行会社と提携しているお土産物屋さんやお店に立ち寄る回数が多いことと、移動はほとんどバスのため、純粋に観光に割ける時間が少なくなってしまうのもネックです。
添乗員
費用を最小限に抑えた格安ツアーでは、経験や知識豊富なベテラン添乗員に当たることは、非常に稀です。
なぜなら、格安ツアーの添乗員の多くは他社からの派遣添乗員であることが多く、教育も派遣会社ごとで統一されておらず、中には教育費の削減のため、添乗員の基本的な教育もおろそかになっている会社も少なくないからです。
また、旅行会社が派遣されてくる添乗員の能力やスキルを把握しておらず、また一部の大手旅行会社では、添乗員の労働条件が過酷なため、ベテラン添乗員が敬遠してしまうという傾向があります。
これらの理由から、格安ツアーの添乗員は通常のツアーと比べると、やや見劣りしてしまうという傾向があるようです。
添乗員のスキルは海外、特にヨーロッパの観光ツアーでは、満足度を大きく左右してしまうため、注意が必要です。
客層
ツアー旅行の場合はほぼ集団行動になるため、一緒に旅行する客層にも注意を払う必要があります。
特に比較的、平均年齢が高い格安旅行ツアーでは、正直、客層があまり良くない傾向があるため、注意が必要です。
まとめ
「おひとりさまブーム」を受け、また旅行者の多様化するニーズから、各旅行会社からたくさんの魅力的な「一人旅限定ツアー」が登場しています。
そのおかげで、全くの海外一人旅でも、語学力や土地勘に全く自信がなくても、以前よりも気軽に海外旅行できるようになりました。
その一方で、どんどん登場する多種多様なユニークで魅力的な一人旅限定ツアーから、自分にあったツアーを選ぶのが悩みどころですが、ポイントさえ押さえておけば決して難しくはありません。
ツアーを選ぶ基準はたくさんありますが、大事なのは自分の旅の目的と行きたい国を明確にし、そこから現実的な予算を割り出し、自分が旅に何を求めるのか、優先順位をはっきりさせることです。
そうすることによって、ツアーを選ぶのが一気に楽になります。
最優先事項が旅行費用を抑えることならば、リーズナブルな格安ツアーは魅力的ですが、安いなりの「落とし穴」もたくさんあるので、値段だけで飛びつかず、注意が必要です。
安価な値段を取って旅の楽しさが半減しないよう、いろんな角度から吟味してみることが大事です。