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予約前におさえておきたい航空券の4つの種類とそれぞれの特徴・メリット

航空券がセットになっているツアー旅行と違って、個人旅行ではゼロから自分で航空券や宿泊先を選び、手配しなくてはなりません。

航空券とひとくちに言っても、実は多種多様な種類のチケットがあり、また航空会社や予約する時期や方法によって、大きく費用が変わってきます。

でもそのぶん、やり方さえ工夫すれば、いくらでもお得にチケットを入手できます。

それにはまず、航空券にはどんな種類があり、それぞれどんな特徴やメリットがあるのか、把握することが大事です。

航空券には、大きく分けて4つの種類があります。

それぞれの種類のチケットについて、どんな特徴とメリットがあるのかご紹介していきましょう!

最も高価だけどメリットいっぱいの正規運賃航空券(ノーマル航空券)

航空券

正規運賃航空券とは、通称「ノーマル航空券」とも呼ばれる正規料金の航空券で、レガシー・キャリアから直接、購入することができます。

レガシー・キャリアとは、最近台頭してきたLCC(格安航空会社)に対比して付けられた名称で、従来からあるフルサービス型航空会社のことです。

料金は、ここで紹介する4種類の航空券の中では最も高価ですが、そのぶん自由度は最も高く、以下のようなたくさんのメリットがあります。

・直前でも発券できる。

・有効期限は発行日から1年間で、有効期間内であれば何度でも予約や経路、航空会社の変更、払い戻しが可能!

・利用するエアラインは自由に決められる。

・経由地でのストップオーバー(途中降機。乗り継ぎ地点に24時間以上滞在すること)が可能。

・キャンセルや予約変更が無料でできる。

・料金は最も割高だが、1年を通して一定価格で変わらない。

・通常のノーマル航空券より割安で購入したければ、途中降機、乗換回数に制限がある「制限付きエコノミークラス普通運賃」を利用するという手もある。

リーズナブルだけど細かい制約に要注意な正規割引運賃航空券(PEX航空券)

正規割引運賃航空券、通称「PEX(ペックス)航空券」は、航空会社が個人向けに販売している正規割引運賃の航空券です。

ノーマル航空券同様、レガシー・キャリアから直接、購入することができますが、旅行会社からも購入できます。

料金は各航空会社が独自に設定し、ノーマル航空券に比べると割安ですが、その代わり購入期間や変更等について、いろいろ細かい制約があり、また航空会社によってルールが違うので、注意が必要です。

マイルの換算が100%~70%とほぼ確実で、ハイシーズンやピーク時の予約が取りやすく、また時期によっては格安航空券よりも安くなる場合もある等、メリットもたくさんあります。

PEX航空券には、大きく分けてIATA PEX、ZONE PEX、APEXの以下3種類があります。

IATA PEX(イアタ・ペックス)

IATA(イアタ)とは、国際線を運航する旅行会社や代理店等の業界団体、International Air Transport Association(国際航空運送協会)の略称です。

IATA PEXは、この団体に加盟している全航空会社に共通の特別運賃で設定されており、PEX航空券の中では最も割高ですが、予定に合わせてIATA加盟の全航空会社で利用できるので、周回旅行に便利です。

ただし、経路変更や予約変更はできず、キャンセルや払い戻しに対しても手数料がかかるので、要注意です。

ZONE PEX(ゾーン・ペックス)

各航空会社が独自に設定している「ゾーン運賃」と呼ばれる正規割引運賃で販売されており、航空会社からも旅行会社からも購入可能です。

IATA PEXと異なり、往復とも同一の航空会社しか利用できませんが、早期予約・購入することにより、さらに割安になる「早割」運賃があります。

うまく探せば格安航空券より割安になることもあるので、PEX航空券のうち最も利用者が多く、人気のあるタイプです。

また、各航空会社が親しみやすいニックネームを付けているのも特徴で、例えば全日空の「GE.T」、日本航空の「JAL悟空」、ユナイテッド航空の「GO UNITED」などがあります。

運賃はIATA PEXよりも割安で、APEXよりも割高ですが、経路や予約の変更はできず、キャンセルや払い戻しについても手数料がかかります。

特に早割の場合には、予約後3日間以内に発券しないと自動的にキャンセルされたり、キャンセルや払い戻しの際の手数料も高くつくなど、運賃が安い反面、細かい制約やデメリットも多いので、注意が必要です。

APEX(アペックス)

ZONE PEXに事前購入や購入期限などの細かい条件を付けて、さらに割安にしたタイプの航空券です。

例えば、ANAのエコ割やビジ割などがあり、PEX航空券の中では最も割安です。

ZONE PEX同様、各航空会社が独自に料金を設定でき、旅行会社からも航空会社からも購入できます。

PEX航空券の中では再安価ですが、反面、自由度は低く、例えばZONE PEXは出発当日でも予約・購入可能なのに対し、APEXは各航空会社が指定する期限までに予約・購入しなければならない等、細かい制限があるので要注意です。

安くて融通が利く分、ピーク時には入手困難な格安航空券

格安航空券

格安航空券とは、団体旅行やツアー向けの安い団体運賃の航空券を旅行会社がまとめ買いし、個人用にバラ売りしたもので、旅行会社からしか購入できません。

元は団体旅行用に旅行会社が大量に仕入れたため、料金はかなり割安になり、しかも発売期間や購入期限の制限がないため、出発直前でも購入することができます。

そのかわり有効期間が短く、マイル獲得率も低く、また予約変更は一切できず、座席指定もできないなど自由度は低く、制約も多くなるので、安価なだけで飛びつかず、注意が必要です。

また、航空会社の優先順位が低いため、ハイシーズンやピーク時期には席が取りにくくなるなど、デメリットもあります。

エコノミークラスが一般的ですが、うまく探せば中にはビジネスクラスの格安航空券もあるようです。

元々、団体でのパッケージツアー用に仕入れた航空券なので、帰国便を確定した短期間のチケットが主流ですが、近年増え続ける個人旅行者のため、帰国便が変更可能なチケットや片道だけのものも増えています。

それらを踏まえ、格安航空券はFIX、OPEN、オープンジョーの以下、3種類に分類することができます。

FIXチケット

出発日と帰国日が決まっており、一度決めたら変更ができない航空券。

制限は多いですが、格安航空券の中では最も安いチケットです。

OPENチケット

帰国の日時が決まっていない場合、発券した後からでも変更できる航空券。

しかも有効期限内ならば、帰国便を自由に選ぶことが可能です。

現地での予定が未定な人や、流動的な人にオススメなチケットです。

自由度が高い分、FIXチケットよりも割高になります。

オープンジョー

現地の到着地と帰路の出発地が異なる航空券のことです。

通常の航空券では、往路も復路も同じ到着地の同じ空港を利用しなければなりませんが、オープンジョーの航空券では、往路と復路に利用する空港がそれぞれ違っていても大丈夫です。

例えば、ヨーロッパ周遊旅行で【日本→ロンドン→パリ→日本】の経路でロンドンとパリの2都市間を周遊した場合、ロンドン→パリ間を飛行機ではなく、電車で移動した場合、オープンジョーの航空券利用になります。

また、【日本→ロサンゼルス→ニューヨーク→日本】でアメリカ横断旅行をした場合でも、ロサンゼルス→ニューヨーク間をキャンピングカーなどで大陸横断旅行をした場合も、オープンジョーになります。

このように、オープンジョーは複数の都市を周遊したり、移動しながら旅を楽しむ個人旅行にぴったりのスタイルと言えるでしょう。

最近、人気のLCC航空券は価格だけでなく追加料金にも要注意!

LCC

LCCとは、Low-cost Carrier(格安航空会社)の略称で、最近、最も人気を集めている航空券です。

オーストラリアのJetStar、マレーシアのAirAsia、中国の春秋航空など、近年の規制緩和で台頭してきた外資系の格安航空会社が販売している正規航空券です。

一番の魅力は、なんと言ってもその破格の安さ!

徹底したコストカットにより、これまでのレガシー・キャリアの航空券ではありえないほど安価な航空券が販売されています。

リアル店舗が一切ないため、チケットの予約・購入は全てネット上で完結し、決済もクレジットカードで行います。

あまりの安さと手軽さで、思わず飛びつきたくなるのは山々ですが、安い分「落とし穴」も多いので、注意が必要です。

例えば、従来のレガシー・キャリアの航空券が「往復」で販売されているのに対し、LCCの航空券は基本、「片道」で設定されているので、往復航空券を買う場合は注意が必要です。

また、機内食やドリンク、毛布や枕、イヤフォンや新聞紙などは全て航空券代には含まれておらず、利用するには追加料金がかかります。

さらに手荷物の受託も別途、有料になっている航空会社も多く、必要なサービスをつけてトータルで見ると、かえって割高になってしまう場合もあります。

なので、むしろ機内食はいらず、サービスも必要最低限でもいいから、少しでも旅行費用を安く抑えたいと考えている人には、ぴったりの航空券だと言えます。

まとめ

航空券を選ぶ前に、まず航空券の種類と料金設定、それぞれの特徴とメリット、デメリットについて知ることが、賢い航空券選びの第一歩になります。

全体的な傾向として、料金が高価になればなるほど、自由度も高く、変更やキャンセルに柔軟に対応でき、逆に料金が割安になればなるほど、自由度が低く、制限も多くなることを覚えておきましょう。

旅行会社やツアー選びと同じで、航空券を選ぶときも、自分の中の「優先順位」をはっきりさせておくことが大切です。

サービスや機内設備は犠牲にしても、とにかく旅行費用を節約したいのか、それとも多少高価であっても、きめ細やかで上質なサービスを求めるのかなど、自分が「空の旅」に何を一番に求めるのか、考えておくといいでしょう。