海外旅行中にパスポートが見つからないと、「日本に帰れる?」「まず何をすればいい?」と、不安になるのは自然なことです。
特に一人旅では、自分で次の行動を決めなければならない場面もあります。
海外でパスポートを紛失・盗難した場合は、そのまま旅を続けようとせず、まず在外公館へ相談してください。
必要な手続きを一つずつ進めれば、次に何をすればよいか整理できます。この記事では、最初にすることから、現地警察への届出、新しいパスポートや「帰国のための渡航書」、帰国までの対応を順番に整理します。
海外でパスポートを紛失したら、まずこの順で動く
パスポートが見つからないときは、すべてを一度に解決しようとせず、まず全体の流れを確認しましょう。
- 自分の安全を確保し、本当に紛失したか確認する
- 最寄りの日本大使館・総領事館など在外公館へ相談する
- 必要に応じて現地警察へ紛失・盗難を届け出る
- 新しいパスポートか「帰国のための渡航書」かを確認する
- 帰国便や今後の旅程を調整する
外務省は、海外でパスポートを紛失・盗難した場合は、まず在外公館へ相談するよう案内しています。国や地域、今後の旅程によって必要な手続きが異なることがあるため、滞在先を管轄する在外公館の案内を確認しながら進めてください。詳しくは外務省の「よくあるお問い合わせ」も確認できます。
1. まず安全を確保し、本当に紛失したか確認する
スリやひったくりなど盗難の可能性がある場合は、まず自分の安全を確保します。
パスポートを取り返すために相手を追いかけたり、危険な場所へ戻ったりしないでください。
安全な場所へ移動したら、バッグやポーチの別ポケット、ホテルのセーフティーボックス、フロントへの預け物、直前にパスポートを提示した場所などを確認します。
ただし、「見つかるかもしれない」と長時間探し続けるより、盗難の可能性が高い場合や帰国・移動の予定が迫っている場合は、早めに次の手続きへ進みましょう。
2. 最寄りの日本大使館・総領事館へ相談する
海外でパスポートを紛失・盗難した場合は、日本大使館や総領事館などの在外公館へ相談します。
連絡するときは、氏名、生年月日、滞在している国・都市、紛失または盗難に気づいた場所と時間、帰国予定日、このあと別の国へ移動する予定があるかを整理しておくと相談しやすくなります。
3. 必要に応じて現地警察へ紛失・盗難を届け出る
パスポートの紛失・盗難では、警察署が発行した紛失届出を立証する書類などが手続きで必要になります。盗難が疑われる場合も、在外公館の案内を確認しながら現地警察へ届け出ます。
ヨーロッパの多くの国が参加するシェンゲン領域内では、外務省が、紛失した国の現地警察などへ速やかに届け出るとともに、最寄りの在外公館でパスポートまたは帰国のための渡航書の発給手続きをするよう案内しています。詳しくは外務省 海外安全ホームページの案内を確認してください。
4. 新しいパスポートか「帰国のための渡航書」かを確認する
パスポートをなくしたあと、全員が同じ手続きをするとは限りません。旅行を続けるのか、日本へ帰国するのかなど、今後の旅程によって新しいパスポートまたは「帰国のための渡航書」を検討します。
日本へ帰国する場合には、在外公館で「帰国のための渡航書」の発給を受けられる場合があります。どの手続きが適しているかは、在外公館へ現在の旅程を伝えて確認してください。
5. 帰国便や今後の旅程を調整する
必要な渡航書類が決まったら、帰国便やホテル、次の移動予定も確認します。帰国便が迫っている場合は、在外公館での手続きと並行して航空会社にも状況を伝え、必要に応じて予約変更などを相談しましょう。
「明日の便だから間に合うはず」「渡航書ならすぐ出るはず」と固定の日数で判断せず、申請先の在外公館と航空会社の最新の案内を確認してください。
帰国するには「新しいパスポート」と「帰国のための渡航書」のどちらが必要?
大まかには、海外での移動を続ける必要があるのか、日本へ帰国することを優先するのかで考えると整理しやすくなります。ただし最終判断は、在外公館へ旅程を伝えて確認してください。
新しいパスポートを申請するケース
このあと別の国へ移動する、海外での滞在を続けるなど、日本へ直接帰国するだけではない場合は、新しいパスポートの申請が必要になる可能性があります。
発給までに必要な期間は申請先によって異なります。旅程だけを基準に自己判断せず、在外公館へ確認してください。
「帰国のための渡航書」を申請するケース
日本へ帰国する場合は、「帰国のための渡航書」が選択肢になります。通常のパスポートと同じ感覚で海外旅行や周遊を続けるためのものと考えず、帰国ルートを在外公館へ伝えて必要な確認を行いましょう。
海外でパスポートを紛失した際の手続きで準備するもの
必要書類は、紛失の届出、新しいパスポート、帰国のための渡航書のどれを申請するかによって異なります。外務省が案内する代表的な書類は次のとおりです。
- 紛失一般旅券等届出書
- 警察署が発行した紛失届出を立証する書類など
- パスポート用の顔写真
- 本人確認や滞在資格の確認に使える資料
- 新しいパスポートや渡航書の申請に必要な戸籍関係書類など
- 帰国のための渡航書では、帰国日程などを確認できる資料
申請方法によっては、戸籍電子証明書提供用識別符号を利用し、戸籍謄本原本を省略できる場合もあります。必要書類の最新の条件は外務省の「パスポートに関する申請手続きに通常必要な書類」と申請先の在外公館で確認してください。
海外で紛失届を出したパスポートが見つかったら使える?
紛失一般旅券等届出書を提出して失効したパスポートは、あとから見つかっても使用できません。
「ホテルに戻ったら出てきたから、そのまま帰国便で使おう」と判断せず、見つかった場合の扱いは手続きを行った在外公館へ確認してください。
海外一人旅でパスポートを紛失したときに困らないための出発前準備
一人旅では、「何かあったら同行者に聞けばいい」が使えません。なくさない工夫だけでなく、なくしたあとも次の行動を取れる状態を作っておきましょう。
- パスポート番号など必要な情報を安全な別の場所にも控える
- 滞在先の日本大使館・総領事館を確認できるようにする
- ホテル名・住所・電話番号をスマホ以外でも確認できるようにする
- 帰国便など重要な予約情報をオフラインでも確認できる形にする
- 家族など信頼できる人へ旅程を共有する
- パスポート・スマホ・現金・カードをすべて同じ場所へ集中させない
海外でパスポートを紛失したときのよくある質問
ここでは、海外でパスポートを紛失したときに迷いやすい点をまとめます。状況によって必要な手続きは異なるため、最終的には滞在先を管轄する在外公館の案内も確認してください。
帰国便が明日でも間に合う?
間に合うかどうかは、滞在国、申請先、必要な手続き、帰国ルートなどによって変わります。固定の日数で判断せず、まず在外公館へ事情と帰国予定を伝えて相談し、航空会社にも早めに連絡してください。
パスポートのコピーだけで飛行機に乗って日本へ帰れる?
パスポートのコピーは本人情報を確認する手掛かりにはなりますが、パスポートそのものに代わる渡航文書ではありません。紛失した場合は、新しいパスポートや帰国のための渡航書など必要な正式手続きを確認してください。
パスポートがあとから見つかったら?
紛失届を提出して失効したパスポートは使用できません。あとから見つかった場合も、そのまま旅行や帰国に使わないでください。
このあと別の国へ移動する予定がある場合は?
在外公館へ今後の旅程を伝えて確認してください。新しいパスポートが必要になる可能性があり、乗り継ぎを含め国・地域によって条件も異なるため、自己判断で旅行を続けないようにしましょう。
まとめ|まず在外公館へ相談し、帰国までの手順を確認しよう
海外でパスポートを紛失・盗難すると、帰国できるのか不安になってしまいます。そんなときこそ、一度にすべてを考えず、順番に対応しましょう。
- まず自分の安全を確保する
- パスポートが本当にないか確認する
- 最寄りの日本大使館・総領事館へ相談する
- 必要に応じて現地警察へ届け出る
- 新しいパスポートか帰国のための渡航書かを確認する
- 帰国便や今後の旅程を調整する
手続きの条件や必要書類は国・地域や申請内容によって変わることがあります。古い体験談だけで判断せず、滞在先を管轄する在外公館と外務省の最新情報を確認しながら進めてください。
出発前から「なくさない準備」と「なくしたあとに動ける準備」の両方をしておくと、万が一のときにも次の一歩を取りやすくなります。